院長あいさつこのページを印刷する - 院長あいさつ

2018年(平成30年)4月1日より、国立病院機構山口宇部医療センターの院長を拝命いたしました。

山口宇部医療センターは、肺がん、悪性中皮腫を主とする「がんに対する専門的診療」、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、結核を含めた呼吸器感染症など様々な「呼吸器疾患に対する専門的診療」、そして「重症心身障害児(者)に対する専門的な療育と診療」という3部門に特化している『専門医療機関』です。いずれの分野におきましても堂々たる実績を有し、当地域にあって最後の砦、もしくは唯一無二の医療機関としての責務を担う施設でありますので、運営を任される責任の重大さをしっかりと受け止め、職務を果たしてまいりたいと思います。

当院は昭和17年に軍事保護院傷痍軍人療養所山陽荘として開設されました。その後、昭和20年に厚生省に移管されて国立療養所山陽荘となり、以後、時代の要求に応じて病院機能の変革、発展を遂げながら、国立療養所山陽荘病院、国立療養所山陽病院、独立行政法人国立病院機構山陽病院と名称を変え、平成20年より独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター(山口がん・呼吸器センター)となり現在に至っています。国立療養所であった背景から風光明媚な自然環境と開放的で広い敷地に恵まれ、さらに原点の結核診療から診療機能を拡充し、名称を変えながらも、常に呼吸器疾患の基幹病院であり続けてきたという伝統を広く地域の皆さまに認知していただけていることは、当院にとって何よりの財産であると考えています。また、当院では国の政策医療として堅持すべき重要な領域の一つである重症心身障害児(者)の療育、診療を昭和43年から担当しており、当該地域において必要欠くべからざる診療拠点として高い評価をいただいており、国立病院機構の一員として責任を持って継続していく所存です。

当院は、病院の理念に「患者さんの権利の尊重と最新の医学知識に基づく医療の提供」を掲げ、各分野において最善の医療を高品質に提供する実力を備えるとともに、多職種協働による説明と同意に基づいた患者さん中心の医療を実践することによって、患者さん自らが最良の医療を選択し、享受することができる医療環境の整備を目指しています。

さらに、他の医療機関との連携を密にすることによって人と人の交流を活性化し、地域全体の医療レベルの向上に寄与すること、治験や臨床研究に積極的に参画して新たなエビデンスの創出に貢献し、さらにその成果を学会活動や論文執筆、講演などを通じて広く世に発信すること、そして、臨床と研究を通じて次世代を担う人材の育成に取り組むことも当院にとっての重要な責務であると考えています。

患者さんとご家族に信頼される、そしてここに集う職員がやりがいを持って働くことができる、そういう皆にとって「よい病院」であり続けるために、今後も努力いたして参りますのでご支援のほどよろしくお願いを申し上げます。
院長 亀井 治人









2018年4月1日
国立病院機構 山口宇部医療センター
(山口がん呼吸器センター)
院長 亀井 治人