慢性呼吸不全の診療このページを印刷する - 慢性呼吸不全の診療

当センターではCOPDをはじめとする慢性呼吸不全の患者様に対して、包括的な呼吸ケアを提供しています。COPDの早期発見、適切な薬物治療、呼吸リハビリテーションを柱に、重症度の高い患者は、在宅酸素療法(100名以上の患者様)、NIPPV(非侵襲的陽圧換気法)を行っています。「息切れ」を感じたら、お気軽にご相談ください。

息切れに悩んだり、あきらめたりしていませんか?

~私たちと一緒に克服のための一歩を踏み出しましょう~

当センターで実施している呼吸リハビリテーションについて

適応疾患

元来、呼吸リハビリテーションはCOPDを対象として発展したものですが、肺結核後遺症、塵肺、間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患に対するエビデンスも蓄積されつつあります。従って労作時呼吸困難感を訴える慢性呼吸器疾患の患者様ならばどなたでも適応があるとご理解ください。当センターの成績では呼吸リハビリに取り組んだ患者様の8割以上が症状軽減して退院され、在宅維持メニューに移行しています。また軽症から中等症の患者様だけでなく、日々の生活の半分以上をベッド上で過ごすほどの重症患者様についても、ご相談頂けましたら特別メニューを用意し実施しています。

当センターの呼吸リハビリテーションの概要

1. 呼吸法の指導と実践

腹式呼吸の体得を目指します。また日常生活において息切れをきたす動作について学習しその対策方法を習得していただきます。日常動作のちょっとした工夫で息切れが軽減することを実感されることでしょう。

2. 呼吸筋ストレッチ体操

リラクゼーション・呼吸法・ストレッチ体操を調和させた運動です。慢性呼吸器疾患患者の胸郭は固くて動きにくくなっています。その胸郭をストレッチして柔軟な胸郭運動ができるようになります。息切れの軽減に非常に有効です。

3. 自転車エルゴメータ訓練あるいは歩行訓練

自転車エルゴメータ訓練は、患者様の状態や体力に合わせてペダルの重さを調整しながら運動します。・歩行訓練は歩行中の酸素や脈拍などを把握した上で、安全でかつ効果の期待できる歩行ペースを専門のスタッフと一緒に体得します。こういった訓練は、下肢筋力が強化されるだけでなく、運動に対する循環系、呼吸器系、代謝系の全てのバランスが向上し総合的に息切れを軽減します。

4. 呼吸リハビリテーション講義

慢性呼吸器疾患とその治療に関する専門的知識や最新情報を、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、臨床検査技師がそれぞれの分野を分かりやすくお話します。

呼吸リハビリに興味をお持ちの方

ぜひ地域医療連携室まで遠慮なくご相談ください。 ~私たちと一緒に克服のための一歩を踏み出しましょう~

呼吸リハビリテーションが有効なのは明らかです。ここでは簡単な説明に留めさせて頂きますのでご興味がおありの方は当センター担当医まで遠慮なくお問い合わせください。 

(1)運動に必要な骨格筋の機能障害を改善します。
 ・痩せた下肢の筋肉細胞内では、酸素をエネルギーに換えるミトコンドリアの数が減っています。運動はこれを改善(増加)します。
 ・末梢の毛細血管が増えて下肢の血流も増え、さらに筋力がつき疲労しにくくなります。従って運動や身体活動の最大能力や持久力が増します。すなわち有酸素運動能力が高まります。

(2)胸郭が柔軟になり、深くゆっくりとした換気効率のよい呼吸が出来るようになります。
 ・息切れを軽減する重要な要素です。

(3)運動に対する恐怖心が解消され自信がつきます。
 ・自信は積極性につながり物事に対する意欲が出てきます。

(4)生活の質の向上につながります。
 旅行に行けた、趣味を始めたり続けることができた、孫といっしょに遊べてうれしい、などのうれしい声もいただいています。
 以上のように「呼吸リハビリテーション」は、身体的にも、精神的にもよい効果があります。
 息切れが軽度な方はもちろん、呼吸苦でトイレや歩行すら困難な重症な方でも効果は期待できます。決してあきらめることはありません。

呼吸リハビリテーションに取り組んでみませんか

呼吸リハビリに興味をお持ちの方。以下の症状にお心当たりのある方。 
  • 他人よりも息切れが強いと感じている方
  • 呼吸困難がつよくて生活が制限されている方
  • 慢性呼吸器疾患が持病でやせている方
  • 会話程度でも息が続かない方
  • 息切れが理由で活動意欲がわかない方
  • 普段の息遣いに不安をお持ちの方
  • 在宅酸素療法の方

ぜひ地域医療連携室まで遠慮なくご相談ください。