間質性肺炎・特発性肺線維症このページを印刷する - 間質性肺炎・特発性肺線維症

間質性肺炎は、肺胞隔壁の線維形成性炎症で、胸部画像上スリガラス影、粒状網状影を呈する。原因不明のことが多く、進行性で、難治性ゆえ、肺がんと並んで厄介な病気の一つである。 間質性肺炎をおおまかに分類すると
  1. 特発性間質性肺炎(IIP)
  2. 膠原病性間質性肺炎
  3. 薬剤性間質性肺炎
  4. じん肺症(職業性間質性肺炎)
 である。

2002年のATS(アメリカ胸部疾患学会)とERS(ヨーロッパ呼吸器疾患学会)の国際合同コンセンサスステートメントにより原因不明の間質性肺炎は特発性間質性肺炎(IIPs)と呼称し、そのうち最も多く予後不良の特発性肺線維症(IPF)の病態解明と治療法の確立が急がれている。

当センターでは、これらの難治性の疾患群に対して、とりわけ特別な医療を施行しているわけではないが、詳細な病歴聴取、高分解能CT診断、気管支鏡診断(BAL)に基づき、当センター外科の技術の恩恵に与り外科的肺生検(胸腔鏡下肺生検:VATS)を積極的に行い、正確な診断に基づいた的確な治療体系を心がけている。

呼吸不全に陥った患者には、呼吸リハビリテーションや酸素療法を導入し、すこしでもQOLの改善に努めている。しかしこの分野においては、未知な部分が多く、近畿中央胸部疾患センター(大阪)や国際医療センター(東京)などと連携して診療技術の向上を図りながら、共同研究を行っている。