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概要

■組 織

任 務 氏 名 形 態
臨床研究部長 三村 雄輔 専任
病理・形態研究室長 なし なし
生理・生化学研究室長 三村 雄輔 併任
病因・病態研究室長 青江 啓介 併任
免疫・感染研究室長 亀井 治人 併任
治験管理室長 三村 雄輔 併任
がん情報管理室 青江 啓介 併任

医師紹介のページ

専有面積 : 202.45 m2

保有する主な研究機器

システム 用途 設置時期
Bio-Plex 200 システム (Bio-Rad)
サイトカイン多項目同時測定 2009年度
ChemiDoc XRS Plus (Bio-Rad)
電気泳動ゲル・メンブレンの撮影と画像解析 2023年
Realtime PCR システム (CFX Connect, Bio-Rad)
遺伝子の発現解析 2018年
Thermal cycler (MJ Mini, Bio-Rad)
PCR 2008年
分光光度計 (DeNovix, DS-11)
タンパク、DNA、RNA等の定量 2021年
分光光度計 (Multiskan, Thermo)
分光光度計 (Multiskan, Thermo)
 
2016年
分光光度計 (Fluoroskan Ascent FL, Thermo)
プレートリーダー(蛍光・化学発光用)
 
2013年
フローサイトメーター FACSlyric (BD)
細胞解析(細胞表面及び細胞内マーカー、細胞周期評価等)
 
2022年
超低温冷凍庫
検体保存
 
2018年、2021年
 
ELGA Purelab
純水作製装置 2013年

これまでの臨床研究部の主な活動状況

低侵襲を目指した肺癌外科治療に関する研究では常に学会をリードし、平成11年度からは厚生省がん研究「がんにおける体腔鏡手術の評価と適応拡大に関する研究」に参加、特に平成12年度には本邦ではじめて「肺癌に対する見張りリンパ節ナビゲーション手術」を報告した。その後も本領域に関する研究を進め、平成14年度からは厚生労働省がん研究助成金「見張りリンパ節ナビゲーション手術の開発に関する研究」の肺癌領域を担当している。このような研究面での進展にともない、肺癌手術症例数は最近3年間で倍増し、山口県下で最も肺癌手術症例の多い病院となり、また呼吸器外科専門認定施設として県下主要総合病院の指導を行っている。肺癌患者の増加にともない「非小細胞肺癌ⅢB、Ⅳ期患者に対するCisplatin、Docetaxel、Gemcitabine併用療法」「高齢者小細胞肺癌に対するTopotecan、Cisplatin少量分割併用療法の第I/Ⅱ相試験」「進行非小細胞肺癌におけるイリノテカンとパクリタキセル週1回投与法の第I/Ⅱ相試験」「複数レベルの縦隔リンパ節転移を有する完全切除病期ⅢA非小細胞肺癌症例に対する術後放射線療法の有用性に関する第Ⅲ相試験」「非小細胞肺癌治癒切除症例に対する術後補助化学療法の検討」「肺小細胞癌に対する自己末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の有用性検討のための無作為比較試験」「初回化学療法に奏功もしくは不変の非小細胞肺癌症例に対するゲフィチニブの逐次併用療法の多施設共同無作為化第Ⅲ相比較試験」などの多施設共同研究、および自施設「既治療非小細胞肺癌に対するPaclitaxel週2回分割投与法の検討第I相試験」などを行っている。

また形態研究室を中心として結核菌の分子生物学的解析手法を用いた結核伝搬経路の解析研究を継続的に行っており、特に前培養にD-cycloserineとethanbutolを用いて細胞壁合成を抑制させる新手技を用い、DNAを損傷することなく抽出する方法を独自に開発した。この手法を応用しPulse field gel electrophoresis (PFGE) を用いた結核菌の遺伝子型分析を試み、院内感染ルートの追跡への応用を行ってきた。この技術は結核伝搬経路の解析に応用されるとともに、周辺医療機関の臨床検査技師に対する研究会を通じて、手技の普及に務めてきた。また、従来の組織化学的抗酸菌免疫法では病理組織標本中に存在する結核菌の内、ごく一部の菌しか染色されていないこと、それは標本作製に使用されるホルマリンとキシレンによる染色性の低下であることをはじめて明らかにした。近年試みられるようになった抗BCGポリクローナル抗体による免疫組織染色も感度が充分でないことから、結核菌の培養株H37RVを抗原としてモノクローナル抗体の作成を開始しており、この技術により病理組織標本中の結核菌の存在と量をより正確に同定し、その活動性や感染性をより正確にコメントできるようになると期待している。
生理研究室と薬理生化学研究室を中心とし、佐賀医科大学、岡山労災病院、北海道大学、山口県立中央病院と共同して、今後爆発的に患者数の増加が予想される悪性胸膜中皮腫の分子生物学的特性の研究を行っている。本研究グループでは西日本では最大規模になる40例の悪性胸膜中皮腫症例を集積している。14年度はRNAのスプライシングや核外輸送に関与し、肺癌の早期より特異的に高発現しているhnRNPの悪性胸膜中皮腫における発現を検討し、hnRNP B1の発現亢進と臨床的悪性度の関連を明らかにした。また、本年度は悪性中皮腫におけるRCAS1の発現に関して検討している。
緩和ケア病棟では心理研究室とも連携し、進行期がんに関する研究が多数行われている。厚生労働省がん研究助成金「我が国におけるがんの代替療法に関する研究」、厚生科学研究「がん医療における緩和医療及び精神腫瘍学の在り方と普及に関する研究」による「終末期における苦痛緩和のための鎮静に対するがん患者の遺族の評価」、が行われているている。「がん患者のせん妄症状と疼痛に対するオピオイド・ローテーションの治療効果に関するオープン試験」、「積極的治療から緩和ケアへの移行に関する遺族の評価」、厚生省がん研究助成金「がん専門医療施設を活用したがん診療の標準化に関する共同研究」による「進行期がん患者の呼吸困難におけるfurosemide吸入療法の効果の検討」、厚生省科学研究費補助金21世紀型医療開拓推進事業「終末期がん患者の家族の病状評価の認識に関する研究」、「がん患者、家族、医療者の「望ましい死・死への過程」に対する意識とその実現を促進・阻害する要因に関する研究」「緩和医療における初診時評価に関する研究」、笹川財団ホスピスホスピスケアに関する研究助成「進行期がん患者の難治性便秘に対するアロマテラピーの有効性の検討」等が行われている。
生理研究室、免疫アレルギー研究室は重症呼吸不全患者に対する呼吸リハビリテーション介入研究を行い、当センター独自の10分間歩行訓練を積極的に実施し、その有効性を証明しつつある。また「包括的呼吸リハビリテーションにおける心理社会的影響に関する研究」「重症呼吸不全患者において、NPPVを併用した呼吸リハビリテーションの効果と有用性の検討」「呼吸リハビリテーションとしての10分間歩行訓練の有用性」、また心理研究室と提携し」「慢性閉塞性肺疾患患者の精神的健康に及ぼす病期の認知と病気の対処の効果に関する研究」「慢性呼吸不全患者の抑うつ、不安に対する介入方法に関する研究」などを行っている。