リハビリテーション講座このページを印刷する - リハビリテーション講座

「呼吸リハビリテーション」って何するの?

1. リラクゼーション

息苦しさがあると、どうしても頑張ってたくさん空気を吸おうとするため、首や肩の筋肉(呼吸補助筋といいます)まで使って呼吸をしてしまい、余分なエネルギーを消費してしまいます。

このような効率の悪い呼吸を「努力性呼吸」というのですが、長い期間努力性呼吸を行っていると筋肉は使い過ぎによって疲労がたまり硬くなってしまいます。

そこでリハビリでは腹式呼吸の指導を行うとともに、ストレッチ体操を用いて呼吸補助筋や全身の筋肉の緊張をほぐしてもらうリラクゼーションを行っています。

2. 呼吸法(腹式呼吸・口すぼめ呼吸など)

腹式呼吸や口すぼめ呼吸を用いることで、効率の良い楽な呼吸ができるように練習します。腹式呼吸や口すぼめ呼吸を習得することができたら、日常生活に呼吸法を用い、歩行や階段、入浴、更衣などの動作にも応用していきます。

3. 排痰法(体位排痰法など)

痰を自分で出すことができなくなると、息苦しさが増すことがあります。さらに、痰が肺から出ずに蓄積されていくと無気肺や肺炎を引き起こしてしまうこともあります。

そこで、リハビリでは痰を上手に肺の外へ出すための指導をしていきます。

4. 運動療法(呼吸体操・自転車エルゴメーター・歩行など)

胸郭(肋骨)の動きが悪くなると、呼吸をするのに多くのエネルギーが必要になり、息苦しさや疲労の原因になってしまいます。さらに、息が苦しいからといって動かなくなると今度は全身の筋肉が痩せてきて、ちょっと動いただけでも息が苦しくなったり体がだるくなったりしてしまいます。

そのためリハビリでは呼吸体操(約25分程度で呼吸法やストレッチ、筋力強化も含まれています)や自転車エルゴメーター、歩行運動などを行って全身の持久力を高め、息苦しさを軽減し安心して生活することができるように取り組んでいます。また、自転車エルゴメーターや歩行運動では、「パルスオキシメーター」という血液中の酸素の量を測る機械を手に付けて行うため、安心して運動療法を実施することができます。


5. 日常生活指導

日常生活の中で困っていることに対して、どうしたら無理なく楽に過ごすことができるのか、個人個人の生活に合わせて具体的な方法を考えていきます。(洗面・トイレ・着替え・入浴など…)